三浦 靖冬
おつきさまのかえりみち
![]() |
迷路であがく少女たちの、躓きと悲哀と一瞬の輝きと可能性を詰め込んだ1冊目。 |
★4の特上。
さて、現在までに発刊された著者の3冊の単行本は何れもワニの発行で、あまつさえ成年マーク無しの全年齢向け一般販売なため、エロ漫画でありながら当然のように全消しに近いです。
無論、エロ漫画としての技法はトップレベル未満だし、エロの占める割合は2割弱程度だし、この作品集を明らかに購買層の広い一般販売にしたワニの気持ちもよく解るけど、エロも情景の一部として物語に限りなく溶けているこの素晴らしい本に斯様に無様な修正を入れたこと自体が私には罪悪としか思えない。
いつの日か最低限の消しで再販されることを祈って。
ちょっぴりダークでセンチメンタルで甘酸っぱい幻想戯曲な一冊。
無論、エロより漫画として愛せる方へのお薦めです。
個人的になら★5の特上。
![]() |
切ない哀に満ち満ちて |
去年辺りでしょうか。書店でこの本を見かけ、表紙の絵に惚れて衝動買い。
中を見たらビックリ、成人向けの本でした(笑
この方の絵はとても緻密で、細部に至るまで描き込まれています。
どこか昭和日本の埃っぽい風景と、懐かしい匂いとが同居した、不思議な、それでいて身近な世界があります。
何より、この方の描く表情は秀逸です。
物語は短編形式。全編を通して、哀愁が満ち満ちています。
希望と羨望、拙い性・妬み、切ない恋と愛・・・とても哀しい物語達です。
絵に癖があり、好き嫌いは分かれるでしょうが、表紙に魅せられたのなら買って損無しです。
物語の質も素晴らしく、自信を持ってオススメ出来ます。
もう一冊「とわにみるゆめ。」という作品もあります。
こちらも同時にオススメします。
前述した世界観に、更に物語性を追求した作品で、心打たれます。
もう一度言わせて下さい。とにかくオススメです。


